12月20日(金)、教育民泊の受入先進地である兵庫県豊岡市但東町を視察調査しました。成美市民大学「農山漁村民泊・農林漁家民宿の現状と将来展望」シリーズとしては民泊型修学旅行実践校訪問調査に続く最終回です。
2012年6月に「8畳1間・定員6人」で旅館業法の許可を取得した「森さん宅」視察および聞き取り調査が今回のメインテーマでした。2009年から神戸市立N中学校の教育民泊を受け入れてきた森さんは「農家民宿もりもり」という宿名で旅館業法の営業許可は取得しましたが、実際まだ子ども受入が中心で、一般客を泊めるために積極的な宣伝等は行っていません。当シリーズ第1回で解説した所謂「ホワイト民泊」です。
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 すぐ近くで「本諸子 悠」という釣り堀を経営していた「植田さん宅」でも2013年3月に「10畳1間・定員6人」で同じく小規模簡易宿所営業の許可を取得していました。それ以前から釣り客に対する飲食店営業も行っていたのに加え、呑んだ後そのまま泊まる人用に旅館業法の許可も得た所謂「スモール民宿」に近い形態ですが、もちろん上記の教育民泊も受け入れています。こちらでも神戸の中学生受入の様子や許可取得までの経緯等について話を聞かせていただきました。 
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最後に、但東町が豊岡市に合併する前の2004年に北但馬グリーンツーリズム特区(消防法の規制緩和)を活用して開業した「八平だるま」へ移動しました。この宿は、大人も泊める最も一般的なイメージの「従来型農家民宿」で、濁酒・めん類・菓子・豆腐など多くの製造業許可も取得し、積極的な宿泊業経営を行っている事例でした。こちらでも教育民泊や開業経緯の話を聞かせていただき、その後「車座討議」の場を設け、参加者同士の意見交換を行いました。
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異なるタイプの宿3ヶ所を視察調査した今回で当シリーズは完結しましたが、隣接する北近畿エリアの自治体間で連携体制を確立できるよう、今後とも色々な取組を進めていきたいと考えています。ご協力いただいた宿および参加者の皆さん、大変ありがとうございました。